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「光触媒」フィルム2

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.079

「光触媒」フィルム2

公開日: 2006/07/21
解説:

酸化チタンは通常粉末状です。これを樹脂に練り込んだり、あるいは液状にしたものをフィルムにコーティングしたのが「光触媒」フィルムです。この酸化チタンの働きによって、前回説明したメカニズムによって抗菌・抗カビ効果や、鮮度保持効果などが得られるわけです。
鮮度保持効果を高めるため、酸素を除去する機能を持たせるようにくふうされたものもあります。従来、食品の鮮度保持に使われる脱酸素剤としては、鉄の酸化作用を利用したものが主流ですが、電子レンジでは鉄が高周波加熱されるため使用できないほか、液体容器内での使用は、鉄イオンが溶出するため使用できないなどの制限があります。酸素吸着機能を持たせた酸化チタンは、こうした難点を解消できるうえ、透明フィルムに練り込むことで光触媒効果も期待できます。
光触媒フィルムによって、青果物の鮮度保持も可能です。植物は熟成とともにエチレンガスを発生しますが、これを抑制・除去することにより、青果物の鮮度を長持ちさせることができます。これを実現するためにはいろいろな方法がありますが、光触媒にもエチレンガスを分解する作用があります。
光触媒反応を利用し、米など食品に含まれる水分の増減を長期間にわたって抑える技術もあります。保管袋の素材となるポリエチレンに微粒子状態の酸化チタンを分散させ、光触媒反応を起こしやすくして水分変動率を抑制するものですが、米の保管袋に使えば通常の紙製袋に比べ、種もみの発芽率が高く、虫害も発生しないという特徴を持ちます。

2006年7月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.117に掲載

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