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「光触媒」フィルム1

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.078

「光触媒」フィルム1

公開日: 2006/03/27
解説:

「光触媒は太陽や蛍光灯などの光が当たると、その表面で非常に強い酸化力が生まれ、接触してくる有機化合物や細菌などの有害物質を除去することができる環境浄化材料である」などと書くと、なにやら難しげな定義になりますが、要するに紫外線が持つ殺菌や有害物質の除去する力を増幅・圧縮して使うことができる物質のことです。
「洗濯物は陽に干して乾かす」とか「金魚の水は汲み置き水」といった昔からの知恵は、紫外線の持つこうした力を利用したものなのです。
光触媒として主に使用されている物質は「二酸化チタン」です。
二酸化チタンは、私たちの身近なところで昔から多く使用されています。
たとえば、普段使っている歯磨き粉、化粧品、塗料などで、白色の顔料として用いられています。
こうした太陽光を光源とする低コストかつ省エネルギーの処理と、安全で耐久性に優れ、しかも資源が豊富で安価な物質である二酸化チタンを組み合わせることにより、洗濯物の殺菌や金魚水の塩素の分解などがよりスピーディにできるわけです。
光触媒には大気浄化、脱臭、浄水、抗菌、防汚の5つの機能があります。
すなわち、大気中の自動車の排出ガスから出た窒素酸化物や硫黄酸化物の除去、アンモニアやアセトアルデヒド(タバコ臭)などの悪臭の除去、強力な分解機能によって細菌を殺し、その死骸まで分解する機能、有機塩素化合物の分解除去によるきれいな水の生成、油分や砂などによる汚れを防ぐセルフ・クリーニング機能がそれです。
これらの機能のうち、殺菌や防臭機能はパッケージにおいても求められるもので、二酸化チタンをコーティングしたフィルムなどが開発されています。

2006年4月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.116に掲載

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