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可食フィルム

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.076

可食フィルム

公開日: 2005/7/5
解説:

天然多糖質による食べることのできるフィルムです。
古くからデンプンを使ったオブラートがよく知られていますが、これ以外にもいろいろな天然多糖質を使った可食フィルムが製品化されています。
たとえば、寒天オリゴ糖を使ったもののほか、黒酵母菌の一種である微生物によるデンプン分解生成物(プルラン)によるもの、あるいはゼラチン、コラーゲンなどの天然タンパクを利用したもの、さらにはグルコース、キシロースなどの単糖類を重合した高分子化合物(ポリサッカライド)もあります。
これらを原料としてつくられたフィルムの多くは、無味無臭で食べることができるほか、水や温水に溶かすことができる、ヒートシールによって製袋加工できる、可食性インキなどにより印刷することができる、などの特徴を持っています。
また、光沢と透明性に優れ、腰が強く引っ張り強度にすぐれたものもあります。
一般的にガスバリア性があって酸素はほとんど通しませんが、水分や湿度に弱く、取り扱いに注意が必要です。
一方、フィルム製造時にゲル化剤などを併用したり組成を変えることにより、溶解速度をコントロールすることが可能ものもあります。
用途としては、たとえば食品の内袋として使用し、袋のままお湯などをかけて食べるといった可食製袋材料として使われるほか、加工補助材やラッピング材などいろいろな用途に使われています。
原料の段階で各種食品、香料、着色剤、医薬品原料、化粧品原料などを練り込んでフィルム化すると、味付き、香り付きやいろいろな効能をもったフィルムが得られます。
可食性インキで印刷した印刷フィルムを利用し、ホットケーキやクッキー、キャンディなどを絵付けするといった利用法もあります。
なお、多糖質類そのものは、増粘性やゲル化機能を持つことから食品、トイレタリー、医薬、その他産業用途に幅広く使用されています。

2005年7月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.113に掲載

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