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電子レンジ対応包材

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.074

電子レンジ対応包材

公開日: 2005/3/24
解説:

電子レンジ食品に冷凍食品やレトルト食品といった明確な定義がないように、電子レンジ食品に使われる包材にも特定のものはない。
それぞれの食品に適した包材であって、電子レンジに対応できるものであればよいわけである。
実際の包材を見てもフィルムでは、ポリプロピレンを中心としたラミネート包材が多い。
電子レンジは極超短波で食品に分子運動を起こさせて、その摩擦熱で食品を加熱する調理器具である。
極超短波は金属では反射し、ガラス、陶器、プラスチックなどの誘電損失の低い容器では透過する。
したがって、電子レンジ包材としてはプラスチックや紙などの誘電損失の低い素材が使われるわけだ。
ただ、電子レンジの場合、加熱時間によって食品の温度上昇の程度が異なる。
水分を多く含む食品は100℃を大きく超えることはないものの、油脂分を含むいわゆる油性食品は、加熱時間を長くかけて調理した場合200~220℃まで上昇する。
したがって、油性食品の電子レンジ包材は、この温度に対応した耐熱性のものでなければならない。
最近、とくに電子レンジ対応 をうたっている食品がふえているが、これは容器包装そのままで電子レンジにかけることができるものが多い。
一般的に包装した食品を電子レンジにかける場合、中に空気が入っていると熱で膨張して包装が破裂するため、一部包装に空気抜きの穴をあける必要がある。
しかし、そのままの形で電子レンジにかけることができることをうたった食品は、ある一定の圧力がかかるとシールの一部が自動的にはがれて空気が抜ける仕組みになっているなどの工夫をこらしたものである。

2005年1月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.111に掲載

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