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包装用ネット

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.073

包装用ネット

公開日: 2004/9/16
解説:

最近は通気性のよいフィルムや、野菜の品質劣化の原因となるエチレンガスを吸着して鮮度を保つ機能性フィルムが登場し、青果物の包装は多様化している。
しかし、青果物包装に求められる通気性に最も適合した包材として、古くから採用され、現在も確固たる基盤を持っているものとして包装用ネットがある。
包装用ネットは、メリヤス編みネットと押し出しネットの2つに大別される。
素材はどちらもポリエチレンである。
メリヤス編みネットは、糸状にしたポリエチレンのモノフィラメントをメリヤス編みして作った袋で、主にタマネギやニンジンなどの農産物の集荷や出荷など物流用に使われる。
したがって容量も大きなものが多い。
一方小売りが対象の押し出しネットは、何本もの糸を機械で同時に押し出し、回転などを加えてネット状に成形しながら巻き取って製造する。
ちょうどネット状のチューブの形になるが、これにカットと溶断シールを繰り返えしていけば袋に加工できる。
オクラや枝豆などの包装用の場合、ミカン用などとは異なって、フラットに成形した押し出しネットが使われる。
一般的にミカンや栗などには赤やオレンジ系統、枝豆やトウモロコシなどには緑や青色系統、ニンニクには白といったように、対象となる青果物の色彩に合わせてカラフルなネットが使い分けられている。
ネット包装の欠点は、フィルム袋と違って表面に印刷ができないため、商品名などの表示が難しいことであった。
当初は、紙ラベルを商品と一緒に挿入していたが、そのうちに印刷したプラスチックフィルム片をネットに貼り付けたものが登場し、表示の難しさの難点は解消された。
最近では、素材に生分解性樹脂を使用した生分解性の包装用ネットも登場している。

2004年10月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.110に掲載

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