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シュリンクフィルム(2)

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.072

シュリンクフィルム(2)

公開日: 2004/6/22
解説:

シュリンクフィルムの種類には塩化ビニル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、OPS(二軸延伸ポリスチレン)、ポリプロピレン、ポリエチレン、多層ポリオレフィンなどがある。
このうち塩ビは、加工適正などからシュリンクフィルムにも適したフィルムであるが、環境問題から逆風を浴びており、市場は縮小傾向にある。
とくにシュリンクフィルムが伸びている分野に、PETボトル用などのシュリンクラベルがある。
近年のPETボトル飲料の急成長にともなうもので、素材には塩ビのほかPET、OPSが使われている。なかでもPET、OPSは、塩ビに代わってめざましい成長を遂げている。
難点とされた低温収縮性や自然収縮などを改良し、塩ビ並みの性能に近づける努力もなされているという。
外装用では主にPEが使われる。シュリンク包装の集積機能を生かしたもので、缶飲料で段ボールのトレーとシュリンク包装を併用したトレーシュリンクがその代表的な例である。
缶飲料などの場合、外装内へのほこりの進入はあまり大きな問題ではないため、両サイドのすそが開いたスリーブ包装形態が採用される場合が多い。
一方、大型の建材など汚れを防止するためにシュリンク包装が採用される場合には、ピロー包装形態や四方シール形態など、密封した包装形態が採用される。
食品、医薬品、日用雑貨などのシュリンク包装には、ポリプロピレンや多層ポリオレフィンの素材が多い。
集積目的や汚れ防止目的のほかに、改ざん防止目的の採用も増加している。
帯電防止やUVカットなど付加価値機能を持ったものもある。
包装形態としてはピロー包装のほかLシール包装機による三方シール形態も多い。
最近の例としては、食品容器のキャップシール用として生分解性シュリンクフィルムが初めて採用されたというニュースもある。
なお、シュリンク包装機にも、その包装形態に応じてさまざまなタイプの機械があるが、シール部分の耳残りがない溶断シールが要求される。溶断シール包装した製品を、トンネル炉に通すことによって熱収縮させる形態のものが多い。

2004年7月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.109に掲載

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