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シュリンクフィルム(1)

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.071

シュリンクフィルム(1)

公開日: 2004/4/01
解説:

フィルムを成型するとき、縦方向や横方向に延ばすと、すなわち延伸すると引っ張り強度などを持ったフィルムが得られる。
延伸したフィルムは縮まろうとする性質を持つが、熱をかけて延伸した状態を固定することができる。
現在包装分野などでもっとも広範に使われているOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムは、こうしてつくられたフィルムである。
これに対し、延伸したフィルムが縮まろうとする性質を利用したのがシュリンク包装で、包装後、フィルムに熱をかけて収縮させ、中身製品に密着した包装に仕上げることができる。
シュリンク包装が、「ラフに包んでタイトに包装する」といわれるゆえんである。
シュリンク包装には塵や汚れから商品を守り、中身を見せて商品価値を高めるといった機能以外に、結束性やバージン性の保証、改ざん防止といった機能もある。
また最近では、ラベルの用途で大幅に市場が拡大している。
結束性は外装やまとめ包装する際に必要とされる機能で、典型的な例としては、缶飲料のシュリンク外装がある。
段ボールのトレーに所定の数の缶飲料を載せ、シュリンクフィルムでラッピングしたのち熱収縮させてタイトな包装に仕上げる。
密封性はそれほど必要としないためスリーブ包装になる場合が多いが、輸送に耐えられるだけの丈夫なフィルムが要求される。
商品全体を薄いフィルム膜で包むと、それを破らない限り商品を使えない。
シュリンク包装のバージン性の保証や改ざん防止機能である。
典型的な例としては、殺虫剤などのスプレー商品がある。
また、容器のキャップの部分だけにフィルムをかけて熱収縮させるキャップシールの用途もある。

2004年4月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.108に掲載

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