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家庭用ラップフィルム

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.069

家庭用ラップフィルム

公開日: 2003/07/17
解説:

家庭用ラップフィルムの公称は「食品包装ラップフィルム」というのだそうです。
アメリカで生まれたもので、取り扱いやすく密封しやすいことから、それまでのワックスペーパーに代わって急速に普及したといいます。
日本に入ってきたのは1960年。
しかし、当時まだ日本では冷蔵庫は普及しておらず、家庭用ラップが脚光を浴びるには、いま少し冷蔵庫の普及を待たなければならなかったそうです。
現在では家庭になくてはならない必需品となっている家庭用ラップですが、ストレッチフィルムとも呼ばれる業務用ラップとどこが違うのでしょうか。
素材が違うといえばそれまでですが、業務用ラップは塩化ビニールが今でも大きな比重を占めているのに対し、家庭用はポリエチレンないしはポリオレフィン系樹脂が主流です。
かつては塩化ビニリデンが主流を占めていましたが、ダイオキシン問題によって塩素を含む素材が急速に駆逐されてしまいました。
業務用であれ家庭用であれ、食品をきれいに包むためには、ラップにある程度の自己粘着性は必要です。
ただ大きく違うのは、家庭用ではラップの伸びる性質、すなわちストレッチ性はあまり必要でないというか、やたらに伸びるとギザ刃で切れないという問題が生じます。
ニクロム線などで熱溶断する業務用とはここが違うのです。
家庭用ラップは冷蔵庫とはもちろん、電子レンジとも併用して使われるケースが多いといえます。
したがって耐冷性のほか耐熱性が要求され、さらに人体への安全性も求められます。
そのため、樹脂への添加剤をできるだけ使用しない製品も増えているようです。

2003年7月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.105に掲載

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