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易開封性フィルム

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.068

易開封性フィルム

公開日: 2003/03/25
解説:

パッケージを開封しようとして、なかなか開かずに苦労した経験は、誰にでもあると思う。
力を入れすぎて中身がこぼれたり、袋が裂けすぎてそのままでは残りを保存できなくなることも日常茶飯事だ。
昔はこれほどではなかった、と思う中高年も多いだろう。
そう、包装食品が普及しはじめた初期は、セロファンをベースにしたセロポリが主流で、簡単に引き裂くことができた。
しかし、食品に品質をより長期間保存できるバリア性の高いフィルムが普及するに伴い、パッケージは開封しにくくなったのである。
そこで登場してきたの、直線カットの性格を持つ易開封性フィルムである。
プラスチックは延伸すると、その引っ張り方向に沿って裂ける性質がある。
その端的な例が梱包に使うPPバンドで、横方向は人間の力ではほぼ切れることがないのに対し、縦方向は容易に裂くことができる。
この性質を利用したのが易開封性フィルムである。
易開封性フィルムは、ラミネートして使われる。
したがって、まっすぐに切れるという基本的性能は、ラミネートの相手や加工方法などで、必ずしも保証されるとは限らない。
また、PPではほとんど見られないが、一軸延伸PEでは引き裂いたときにヒゲが出るという現象がよく見られる。
一般的にはベースフィルムとシーラントの間にサンドして使用されるため、ラミネート強度が低いとシーラントフィルムが伸びて抵抗が大きくなり、開封性に問題が生じる場合もある。
また、Vノッチなど開封位置が指定されていなくても、開封できることが望ましい。
しかし、ラミネートすると手切れ性はなくなるため、Vノッチもやむを得ない場合が多い。
最近ではフィルムに微細な傷を入れて、エッジならどこからでも切れるといった製品もでているが、直線カット性はないとされる。

2003年4月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.104に掲載

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