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静電防止フィルム

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.066

静電防止フィルム

公開日: 2002/11/07
解説:

ほとんどのプラスチックは電気を通さないため、静電気が起こりやすい。
この静電気が、プラスチックフィルムなどで包装する作業工程において、シール不良やフィルムの蛇行、空袋の付着といったトラブルの原因となりがちである。
静電気を防止するには、除電ブラシや除電装置などを使う方法もあるが、フィルム自体に静電気の発生そのものを防ぐ加工を施したものが、静電防止フィルム(あるいは帯電防止フィルム)といわれるものである。
静電気発生のメカニズムはこうである。
あらゆる物質は原子からできており、+の陽子のまわりに中性子や-(マイナス)のいくつかの電子が軌道を描いてまわっていることは、学校で習った記憶があると思う。
二つの物質が接触すると、もっとも外側の電子が相手側に移り、それを剥がすと一方は+に帯電し、もう一方は-に帯電する。
この電子の移動が、静電気の正体だとされる。
したがって、あらゆる物質は接触すると帯電するが、金属や水など導電性の物質は帯電した電気をすぐに放出するため静電気は残らない。
しかしプラスチックは電気を通さないため、発生した電気はそのまま残ることになる。
一般的に多くのプラスチックフィルムは帯電しやすいが、帯電しにくいものとしてアルミ蒸着フィルムがあげられる。
アルミニウムが導電性であるためだが、これと同様にアルミ箔のラミネートフィルムも帯電しにくい。
また、セロファンも帯電性はほとんど無いといわれる。
さて、プラスチックフィルムを静電防止加工する場合、静電防止剤を配合する内部改質法と宣伝防止剤を塗布する外部改質法がある。
前者はプラスチックに両面活性剤金属塩やイミダリン型両性界面活性剤などの混合するもので、後者はこれらをフィルム表面に塗布する方法である。
後者は表面に十分な量を塗布できるため効果的で確実だといわれる。

2002年11月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.102に掲載

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