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延伸フィルム

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.065

延伸フィルム

公開日: 2002/06/27
解説:

フィルムはその製造過程で一定の方向に引っ張って延ばす加工をすると、その方向の引っ張りの力に対して非常に強いフィルムができる。
その代表的な商品が梱包の結束材に使われるPPバンドで、単に引っ張りに強いだけでなく表面が滑らかで対摩耗性もあり、サイズが均一で機械適正に優れているのが大きな特長である。
フィルムは溶かした樹脂原料をフラットに押し出し、冷やすことによって成形される。
押し出し成形された直後のフィルムは長い分子がからみあって、たとえば毛糸をほどいて手で丸めたような状態になっている。これを縦方向に引っ張ると、分子はまっすぐ伸びて縦方向に整列する。
これが一軸延伸フィルムである。これを横方向にも引っ張ると縦横に引っ張り強度を持った二軸延伸フィルムとなる。
包装分野ではもっとも広範に使われているOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムは、こうしたフィルムの性質を利用したものである。
一軸延伸フィルムは、引っ張った方向に分子が伸びきっているため、もうほとんど伸びないが、直角の方向には割り箸を割るように裂くことができる。
この性質を利用したのが、直線カット性フィルムである。
フィルムは、延伸したままでは徐々に縮もうとするが、引っ張った状態で熱をかけると、この温度以上にならないかぎり収縮しないようになる。
これを熱固定するという。逆に熱固定せずに収縮する性質を利用したのが、収縮フィルムである。

2002年7月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.101に掲載

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