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抗菌フィルム

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.062

抗菌フィルム

公開日: 2001/06/29
解説:

O-157などの食中毒、レジオネラ属菌問題の多発などによって、抗菌への関心・需要が高まり、抗菌グッズはボールペンなどの文房具やまな板などの調理器具に至るまであふれかえっています。

包装資材においても、抗菌フィルム、抗菌テープなどさまざまな製品が出回っています。
一時に比べると若干下火になった観はありますが、それだけ生活に定着してきたともいえます。
ところで、抗菌とは何か。
抗菌製品技術協議会の定義によると「抗菌」とは、「細菌の増殖を抑制、または細菌の生菌数を時間の経過とともに減少させること」となっています。

また「抗菌加工製品」における「抗菌」の定義は、「当該製品の表面における細菌の増殖を抑制すること」だそうです。
「汚れ」「臭い」「ぬめり」「カビ」などを防止・抑制したり、「鮮度保持」する機能などは、抗菌による副次的効果であるともいわれます。
抗菌のほかに、滅菌、殺菌、除菌、静菌などといった言葉があります。
この中の除菌は、「ある物質または限られた空間より微生物を除去すること」であり、静菌は、「微生物の活動を停止または低下させ、増殖を抑制すること」です。

抗菌製品は、抗菌剤を製品に「練り込み」「塗装」「塗布」「印刷」「添着」加工することによって得られます。
抗菌剤には、銅・亜鉛・銀を抗菌成分としてイオン化させた状態で製剤した無機系抗菌剤、食品の防腐成分として用いられる有機系抗菌剤、天然成分の抗菌作用を利用した天然系抗菌剤、酸化チタンなどを原料とする(紫外線を利用して起こる酸化力、還元反応により有機物を分解する)光触媒系抗菌剤などがあります。

抗菌フィルムの場合は、無機系抗菌剤を使うケースが多いようです。
天然系抗菌剤は安全性は高いと考えられていますが、コストや効果に問題が残るといわれています。

2001年06月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.97に掲載

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