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ダイオキシン抑制フィルム

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.061

ダイオキシン抑制フィルム

公開日: 2005/5/31
解説:

ダイオキシンは微量でも非常に強い毒性を持ち、発ガン性や生殖異常を引き起こす疑いもあるやっかいものです。
しかもプラスチックが混ざったゴミを低温で燃やすと発生するため、非常に身近な問題でもあります。
このダイオキシン発生の抑制を意図した製品が、いろいろ開発されています。その一つが、ダイオキシン発生を抑制するフィルムを使ったゴミ袋です。
ダイオキシン発生を抑制するゴミ袋とは、酸化鉄、水酸化アルミニウム(酸化アルミ)、人工ゼオライト(アルミノ珪酸塩)、あるいはカルシウム・マグネシウム炭酸塩などの金属化合物をポリエチレン製のゴミ袋に添加したものです。
酸化鉄は酸素を活性化させ燃焼を促進させることにより、ゼオライトや水酸化アルミニウムは吸着のメカニズムを利用することによって、ダイオキシン発生を抑制するといわれます。
また、カルシウム・マグネシウム炭酸塩は塩素と反応させることによってダイオキシンの発生を抑さえようという考え方です。
たとえば酸化鉄の一種である活性フェロキサイド配合のフィルムは、完全燃焼しやすくなるためダイオキシン発生抑制に有効であるほか、排ガス中の窒素酸化物の減少、焼却後の残灰量の低減、重金属の溶出防止などの効果もうたわれています。
こうした金属化合物を添加したフィルムは、ゴミ袋のほかレジ袋、米袋、衣料袋、クリーニング袋、さらにはエア緩衝材など幅広い分野で展開されています。
フィルムだけではなく紙にも応用され、ラベル原紙の分野や古紙回収用ひもでの動きも見られます。
ただ一方では、金属化合物添加によるダイオキシン発生の抑制効果について、疑問視する声もあります。

2001年1月発行富士インパルスニュースVol.95に掲載しました。

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