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ポリアクリロニトリル(PAN)

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.059

ポリアクリロニトリル(PAN)

公開日: 2005/5/31
解説:

ポリアクリロニトリルは、ガスバリア性を持ち成形性に優れているのが特徴。
手触り、外観、耐熱性は硬質塩ビに似ているが、ガスバリア性、保香性に優れている点が塩ビとは大きく異なっている。
また、成形性は塩ビ以上という評価がある。
しかし、水蒸気遮断性は塩ビより劣るので防湿包装には不適である。
塩ビと同様ヒートシールが可能であるため、ラミネートフィルムのシーラントとしても使用できるが、シール適性はPEやCPPより劣る。ゼクロン(ZX)は、三井化学のポリアクリロニトリル系樹脂シート、フィルムの商品名である。
用途は、ガスバリア性や保香性、耐油性の特性を利用してバウムクーヘン、カステラなどの菓子類、生肉・畜肉加工品、味噌、出汁などの調味料・香辛料、食用油・ドレッシング、バター、チーズなどの乳製品、生魚などの水産物・水産加工品などに使われているほか、耐薬品性などの特性から医薬品や化粧品、インキ、塗料などの日用品、カーワックスなどの自動車用品、防臭剤などのトイレタリー、農薬・殺虫剤などにも幅広く使われている。
シートは容器に成形されるが、フィルムはPET/ZX、ON/ZX/EVAなどの構成で使用されている。

食品包装用プラスチックフィルムの種類と性能、用途 
Kanno'sHomePageの「食品包装基礎講座」を参考にしました。

2000年9月発行富士インパルスニュースVol.94に掲載しました。

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