edse 富士インパルス:プラ知識 No.56/透明蒸着フィルム(1)

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透明蒸着フィルム(1)

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.056

透明蒸着フィルム(1)

公開日: 2005/5/31
解説:

アルミ蒸着フィルムはアルミ箔ラミネートフィルムに次ぐバリア性フィルムとして、食品をはじめとする分野で幅広い需要を持っています。
ただ、アルミ箔同様に中身が見えないという欠点があります。
透明性があって比較的バリア性の高いフィルムとして塩化ビニリデンコート(Kコート)フィルムがあります。
しかし、塩素系のフィルムは焼却時に塩素ガスが発生し、ひいてはダイオキシン発生の原因の一つになるとして敬遠される傾向にあります。
そこでこのKコートフィルムの代わりに、透明でありながら高いバリア性を持つ透明蒸着フィルムが脚光を浴びています。
透明蒸着フィルムもアルミ蒸着フィルム同様、真空蒸着装置でフィルムに薄い被膜を付けてつくりますが、アルミの代わりに酸化珪素(ガラスの成分)や酸化アルミ(アルミナ)を使います。
すなわち、酸化珪素や酸化アルミなどを真空中で加熱し、その中にフィルムを走らせることにより蒸気をフィルムに付着させるのです。酸化珪素を使った蒸着は、セラミック蒸着あるいはシリカ蒸着ともいいます。
セラミック蒸着の場合、わずかに褐色を帯びますが最近ではほとんど無色のものも登場しています。
一方、酸化アルミを使った場合は全くの透明で、蒸着しているかどうか外見上は全く判別できないと言われます。
現在本格的に使用されているフィルムはPETだけですが、今後はOPPなど他のフィルムでも応用が進むと考えられます。

Kanno'sHomePageの「食品包装基礎講座」を参考にしました。

1999年11月発行富士インパルスニュースVol.90に掲載しました。

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