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合成紙

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.053e

合成紙

公開日: 2005/5/31
解説:

合成紙は紙のような風合いを持つプラスチックフィルムです。
紙のようにきれいに印刷できる上、光沢がよく、屋外で雨にあたっても強いといった特徴があります。
したがって、地図やポスター、カレンダーなどの用途のほか、包装関連ではショッピングバッグなどによく使われます。
合成紙はポリプロピレン、ポリスチレンといったプラスチックからフィルムをつくり、二軸延伸して伸縮をなくし、印刷しやすいように表面加工してつくります。
いわば合成フィルム紙です。
こうした製法のほか、紙のように合成繊維を漉いた合成繊維紙、化繊紙もあります。
世界で初めての印刷できる合成フィルム紙は、1966年にユニオン・カーバイド社から発売された「ユーカシート」だといわれます。
白色顔料を混合した硬質ポリエチレンフィルムで、本の表紙や絵本、地図などに使用されました。
日本では1960年代後半から70年代はじめにかけて、10数社が開発に乗り出しました。
しかし、そのほとんどが開発を中止してしまいました。
貴重な天然資源である木材を使用しないというのが開発の目的でしたが、オイルショックによって石油が高騰し、価格的メリットが失われてしまったからです。

山本卓彦著『おもしろいプラスチックのはなし』を参考にしました

1999年5月発行富士インパルスニュースVol.87に掲載しました。

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