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生分解性プラスチック(4)

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.051

生分解性プラスチック(4)

公開日: 2005/5/31
解説:

2年ほど前、化粧品の容器に生分解性プラスチックが採用され、大きな話題になりました。
しかしその後、包装分野に限ってみるとそう大きな進展はないように見受けられます。
当初本命とされた食品容器分野でほとんど採用がないからです。
まずコストの問題があります。
最近の食品ラップでは、コストが少々高くても非塩ビ系素材に流れているようですが、生分解性プラスチックでは、コストの差が大きすぎることもあって、そうした流れは生まれてはいません。
今ひとつは、実質的に食品容器材料として使えるのかという問題です。
生分解性プラスチックは、光があたったり雑菌がついたりすると崩壊を始めます。
製造および流通段階であればこうした崩壊を防ぐ管理は可能ですが、家庭の冷蔵庫などに入ってしまうとどうでしょうか。非常に危なっかしい容器に変わってしまいます。
小売業者から、こうした容器は扱えないという声があがるのは当然でしょう。
現在、包装分野で有望と見られているのはコンポスト(堆肥)袋です。
今後、生ゴミの再利用の意識はさらに高まることが予想されるからです。
そのほか、育苗ポットなどの農業分野やカードやインク容器といった情報関連分野での需要が有望視されています。

1998年11月発行富士インパルスニュースVol.84に掲載しました。

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