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生分解性プラスチック(3)

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.050

生分解性プラスチック(3)

公開日: 2005/5/31
解説:

生分解性プラスチックは、主にとうもろこしなどの穀物でんぷんを出発原料とし、各種工程を経てプラスチックペレットとなります。
これを成形することにより、透明性から不透明性、軟質から硬質など、汎用プラスチックがカバーしている領域はほぼ代替可能となっています。
欠点は熱に弱いことですが、最近では耐熱性が55℃と非常に低いPCL(ポリカプロラクトン)で、放射線改質技術によって耐熱性を150℃まで向上させるのに成功するといった研究成果もあがっています。
分解性は、空気中ではほぼ問題はありません。
土中や水中では各種条件や生分解性プラスチックの種類によってかなり異なります。
おおむねフィルム状のもので数週間から数ヶ月、固形状のもので1年から数年で完全分解します。
プラスチック製品としての機能を損なわず、分解性のみコントロールする手法も研究されています。
問題は価格です。値段が非常に高く、現状では汎用プラスチックの5倍から10倍します。
生分解性プラスチックの普及を妨げている大きな原因の一つがコスト高です。
値段を下げるためには量産効果をあげなければなりませんが、そのためにはまず、それだけの消費を確保しなければならないというジレンマに陥っているようです。

1998年9月発行富士インパルスニュースVol.83に掲載しました。

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