HOME > プラスチックフィルムの基礎知識 > No.48/生分解性プラスチック(1)

生分解性プラスチック(1)

■ 誠に勝手ながら、このコーナーにおいて記載している内容に対する問い合わせやご質問への対応はお受けしておりません。

プラスチックフィルムの基礎知識 No.048

生分解性プラスチック(1)

公開日: 2005/5/31
解説:

プラスチックは成形が容易で自然には分解しない性質から広範囲に利用され、身の回りにあふれています。
しかし、自然が分解できない性質が、環境破壊を引き起こす原因にもなっています。
不法投棄されたプラスチックは、土壌や河川、海洋中で分解されず、半永久的に残ります。こうしたプラスチックの廃棄問題に対処するため、生分解性プラスチックが脚光をあびてきました。
生分解性プラスチックの研究は古く、1920年代に、ある種のバクテリアが細胞内にポリエステルを蓄積していることが認められています。
このポリエステルは、繊維やフィルムに使われているポリエステルとは違って、ポリヒドロキシブチレートという脂肪族のポリエステルです。
1960年代になるとこのポリエステルをつくるバクテリアを積極的に探求して、できたポリエステルを利用しようとする試みが行われました。
石油や石炭のような在来の資源を原料にしなくても、空気中の炭酸ガスと植物中の多糖類を原料に製造でき、水や薬品には強いが土中などで分解して環境へ還元できるといった特徴から、バクテリアでつくるプラスチックに関心が持たれたのです。
この研究は、環境問題がクローズアップされるのにともなって、加速してゆきました。

山本卓彦著『おもしろいプラスチックの話』:日刊工業新聞発行を参照しました

1998年5月発行富士インパルスニュースVol.81に掲載しました。

HOME > プラスチックフィルムの基礎知識 > No.48/生分解性プラスチック(1)