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プラスチックとカビ

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.047

プラスチックとカビ

公開日: 2005/5/31
解説:

プラスチックは合成物だから微生物に強く、カビが生えないのが特徴だと長い間言われて来ました。
しかし、プラスチックにカビが生えたという報告が多くなるにつれ、プラスチックもカビに対して抵抗性があるとは言えなくなりました。
最初にカビが認められたのは接着剤や塗料で、腐敗臭がしたり粘度が低下したりしました。
そのため現在では、接着剤や塗料に防腐剤が添加されています。
プラスチックのなかにも腐食しやすいものと、比較的抵抗力のあるものがあります。
腐食を受けやすいのはナイロン、ポバール、ニトロセルロースなどで、比較的抵抗のあるプラスチックはポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコーンなどです。しかし、プラスチック自体に比較的抵抗力があっても、添加物がカビに侵されるため、結果的に腐食する場合があります。
例えば電線皮膜に使われる塩化ビニル樹脂は、可塑剤や安定剤がカビに侵され亀裂が生じたりします。
ポリエチレンのラミネートフィルムにもカビが生えることがあります。
その原因の多くは、ラミネートの接着剤に使われているウレタン樹脂やアクリル樹脂によるものです。

参考:山本卓彦著『おもしろいプラスチックの話』

1998年3月発行富士インパルスニュースVol.80に掲載しました。

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