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レトルトパウチ(1)

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.043

レトルトパウチ(1)

公開日: 2005/5/31
解説:

日本工業規格包装用語によるとレトルトパウチは、「耐熱性の複合フィルムで作った袋でレトルト(高温高圧の殺菌釜)殺菌が可能な袋」となっています。
パウチは小袋の意味です。
記録によると、レトルトパウチの研究が開始されたのは1955年米国のイリノイ大学だそうで、1956年にはPETを含む9種類のフィルム試験が行われたといいます。
1958年には米国陸軍の研究所で、プラスチックフィルムとアルミニウム箔を貼り合わせた袋で、軍用・宇宙用に使用する常温保存食の研究が始められました。
その成果は、アポロ宇宙船のディナー食としての採用などに現れました。
日本での研究は、1963年に東洋製罐で始められ、翌64年に透明のレトルトパウチが発売されましたが、実際に採用されたのは1968年の大塚食品工業の「ボンカレー」が第1号だといいます。
当初は半透明のパウチが使われましたが、風味が逃げる欠点があったため、アルミニウム箔を貼り合わせたパウチに切り替えられました。
軍用や宇宙用ではない民需用としてのレトルト食品は、世界に先駆けるものであったと言います。

1997年7月発行富士インパルスニュースVol.76に掲載しました。

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