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ポリスチレン

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.034

ポリスチレン

公開日: 2003/09/03
解説:

ポリスチレンはスチロールともいいます。
ポリエチレンやポリプロピレンと並ぶ汎用樹脂の一つですが、包装用途としてはほとんどが容器であり、フィルムとしての利用はごく一部です。
ポリスチレンはスチレンモノマーを重合させてつくります。
性質によって一般用(GP)ポリスチレンとブタジエン樹脂などで補強された乳白色の耐衝撃性(HI)ポリスチレンがあります。
また、発泡ポリスチレンペーパー(PSP)や発泡ポリスチレン(EPS)の成形品の原料として使用されます。
射出成形品やシートに加工されますが、食品容器としてはGPとHIを一定の比率で混合して使用することが多いようです。
GPは透明性が良く、酸・アルカリには強いが、耐衝撃性と耐油性に劣り、一方HIは耐衝撃性には優れるが、透明性と耐油性に劣るという性質があります。
その他の性質としては、(1)原料由来の未反応物が比較的多い(2)レモンなど柑橘類の油に弱い(3)70℃前後で変形溶融がおきる---などがあります。
フィルムとしては、縦横に二軸延伸させたOPSフィルムがあります。
水蒸気透過性に優れ、適度な酸素ガス・炭酸ガス透過性があるため、レタスやいちご、ホウレンソウなどの農産物の包装に使用されるほか、透明性に優れているため紙器や封筒の窓貼り用などに使用されています。
もちろんOPSも、シート成形容器としての使用が主用途です。

1995年11月発行富士インパルスニュースVol.66に掲載しました。

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