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アオノマー樹脂

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プラスチックフィルムの基礎知識 No.033

アオノマー樹脂

公開日: 2003/09/03
解説:

あまり聞きなれない名称ですね。そのはずで、アイオノマーフィルムのほとんどはラミネートフィルムの内層として用いられているからです。
代表的な商品としては、三井デュポンケミカルの「ハイミラン」があります。
この樹脂は、エチレンとメタクリル酸の共重合体を金属イオン(ナトリウム、亜鉛)で架橋してつくります。
加熱溶着時にはイオン解離して未架橋の状態になりますが、常温では架橋により加硫ゴムに似た弾性と強靭性があります。
その特徴をポリエチレンと比較してみると、低温シール性やホットタック性が特によく、耐油性、耐薬品性にも優れ、ピンホールが発生しにくく、耐寒性に富む理想的なフィルムですが、反面コストが高いのが難点です。
したがって、ラミネートフィルムの内層として付加価値の高い機能性のある分野に利用されています。
たとえば、深絞り適性(軟化時の粘度が高いので部分的に薄くならず、破れないで深く均一に絞れる)が優れていることから畜肉加工品の包装に広く使用されているほか、衛生用品、薬品の錠剤などの包装にも利用されています。

1995年9月発行富士インパルスニュースVol.65に掲載しました。

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