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プラスチックフィルムの基礎知識 No.012
LLDPEの性質
公開日: 1998/03/02
解説:
LLDPEの密度はLDPEと同程度ですが、分子構造は直鎖状でむしろHDPEと類似しています。
したがってその物性は、LDPEとHDPEの中間に位置づけられるものが多くなります。
例えば、融点、軟化点をLDPEと比較すると、融点は、10~15度高く、軟化点も4~16度高くなります。
こうした耐熱性を活かして、LDPEやEVA(エチレン:酢酸ビニル共重合体)では難しかったボイル殺菌を必要とする食品包装用フィルムに使われています。
また、引張強度もLDPEに比べ約20%高く、また、弾性率も40~80%の高い値を示し、耐ストレスクラッキング性にも優れています。
また、HDPEと同様な分子構造のため引き裂き抵抗が強く、表面高度、透明度も良好であるなどの多くの利点がありますが、一方、加工面ではLDPEに劣る点も多くあります。

1993年1月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.43に掲載