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プラスチックフィルムの基礎知識 No.011
第3のポリエチレンLLDPEの登場
公開日: 1998/03/02
解説:
直鎖状低密度ポリエチレン、すなわちLLDPE(Linear Low Density Polyethylene)が第3の男ならぬ、第3のポリエチレンとして脚光を浴び始めたのは比較的新しく今から10年ほど前。
そのきっかけとなったのは、1997年に米ユニオン・カーバイト社が従来の高圧法LDPE設備に比べ、建設費が2分の1、製造に要するエネルギーが4分の1というLLDPEの製造技術を発表したことによると言われます。
初期の頃からあったLLDPEの製造技術が、その当時注目されなかったのは、製造コスト面で有利ではなく、また、LDPE、HDPEの量産優位性のまえで物性や加工性の異なるLLDPEを受け入れる市場がなかったためです。
しかし、その後の技術革新によるコストダウン、エネルギーコストの急変など環境の変化により、一躍脚光を浴びるようになり、その製造にLDPEやHDPEの設備の転用が行われ、また成形加工業界でもその性質に応じた加工機械や加工法に積極的に取り組むようになりました。

1992年12月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.42に掲載