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プラスチックフィルムの基礎知識 No.007
低密度ポリエチレンは偶然の産物?
公開日: 1998/03/02
解説:
LDPEは1933年、英国最大の化学会社であるICI(インペリアル・ケミカル・インダストリー)社が高圧下でエチレンを用いた実験中に偶然に生まれたと言われます。
第二次大戦突入の頃には工業技術が確立され、優れた絶縁性が電線破覆やレーダーなどに利用され連合軍を勝利に導いたというエピソードも残っています。
日本では、1950年代にICI社、フィリップス社(米)、BASF社(独)からの技術導入により、本格的な生産が始まりました。
LDPEの大きな特徴は柔軟性です。
わずかに透明で、引っ張ると良く伸びます。
化学的にはろうそくに使うパラフィンとよく似ており、燃やすとパラフィンのようにぽたぽた溶けて落ち、その時の臭いもよく似ています。
耐水性、電気絶縁性、対酸、対アルカリ性に優れ、機械的強度や対衝撃性も大きく、熱安定性がよいので加工しやすいなど多くの長所があります。
逆に、耐熱性が低く、難燃性に欠け、印刷適正や染色性が悪く、さらにガスバリア性が低いといった欠点もあります。

1992年8月弊社発行の富士インパルスニュースVOL.38に掲載